甲子園で女と出会う。そう聞いて最初に浮かぶのは野球だろう。
甲子園という地名は阪神タイガースと高校野球のイメージが強すぎる。阪神甲子園球場を中心に、試合がある日は法被を着たおっさんが大量に歩いている街だ。駅前の商店街にはタイガースグッズの店が並び、居酒屋のテレビはほぼ全局が阪神戦を流している。西宮市の中でも独特の空気がある。隣の夙川はおしゃれなカフェが並ぶ落ち着いたエリアだが、甲子園は試合日と平日で完全に別の顔を持つ。平日の甲子園は住宅街だ。ファミリー層が多く、駅前のスーパーで買い物をしている主婦の姿が目立つ。
僕は神戸市在住の50代バツイチ。PCMAXでの出会い系歴は4年を超えた。三宮、姫路、御影、西宮、垂水、明石、加古川、尼崎、宝塚、伊丹、川西、三田、須磨、芦屋、新開地。兵庫県内はかなりの数を回ってきた。甲子園は阪神電車で三宮から30分ほど。通過したことは何度もあるが、「甲子園の女に出会い系で会う」という発想はなかった。
この記事は、甲子園駅の近くに実家がある28歳の歯科助手と出会った話だ。独身、実家暮らし。恋愛ブランク3年。歯科クリニックで受付と助手を兼任している。毎日マスクをして、患者の口腔内を覗き込んでいる女。人の口の中は見慣れているのに、自分が女として見られることには不慣れだった。そのギャップが、この出会いの全てだった。
- PCMAXで甲子園の28歳歯科助手を見つけた経緯と最初のメッセージ
- 15歳差の年齢差をどう埋めたか
- 甲子園駅近くのイタリアンで初めて会った水曜の夜
- 甲子園浜の海沿い散歩で2人の距離が変わった瞬間
- 恋愛ブランク3年の歯科助手が「見られる側」になった夜のリアル
PCMAXで甲子園の28歳歯科助手を見つけた経緯
- 甲子園エリアを検索して感じた「生活感のある女」の多さ
- 28歳歯科助手のプロフィールに書かれていた「マスク外すと別人です」
- 15歳差で最初に送ったメッセージの設計
甲子園エリアを検索して感じた「生活感のある女」の多さ
芦屋の女性との出会いの後、阪神沿線をもう少し攻めてみようと思った。西宮は以前やった。夙川や苦楽園は芦屋に近い空気がある。で、甲子園。正直に言えば、野球以外の印象がほぼなかった。
PCMAXで「甲子園」を含むエリアで検索をかけた。ヒットした女の数は西宮全体よりは少ないが、ゼロではない。むしろ意外と出てくる。プロフを見て回って気づいたのは、甲子園エリアの女は「生活感がある」ということだ。芦屋のエステティシャンは写真の構図にこだわっていた。西宮のネイルサロン経営者はプロフの文面に自信がにじんでいた。甲子園の女は違う。「実家暮らしです」「近所の飲食店でパートしてます」「休日はららぽーとに行きます」。飾らない。というより、飾り方を知らない。
甲子園は球場があるから名前こそ全国区だが、住んでいる人にとっては「普通の住宅地」だ。阪神甲子園駅の周辺にはコロワ甲子園というショッピングモールがあり、少し歩けばスーパーやドラッグストアが並ぶ。派手さはない。その代わり、プロフから漂う「嘘のなさ」がある。僕は派手な女より、こういう女の方がやりやすいと経験上わかっている。
28歳歯科助手のプロフィールに書かれていた「マスク外すと別人です」
深夜1時過ぎにPCMAXを開いた。甲子園周辺でオンライン中の女が4人いた。その中に28歳の女がいた。
プロフの写真は1枚。マスクをした自撮りだった。目だけが見えている。二重ではないが、まつ毛が長くて目元がはっきりしている。医療系の制服を着ている雰囲気があった。
自己紹介にはこう書いてあった。「西宮の歯医者で働いてます。28歳です。ずっとマスクしてるので、マスク外すと別人ですって言われます笑 3年くらい彼氏いなくて、出会い自体がありません。仕事ばっかりしてたら気づいたらこの歳でした。年上の人が落ち着くので好きです。気軽にメッセージください」。読んで、2つのことが引っかかった。「マスク外すと別人です」という自虐。これは容姿にコンプレックスがあるサインだ。歯科の仕事は1日中マスクをしている。素顔を人に見せる機会が極端に少ない。マスクの下の自分に自信がない。
もう1つは「3年くらい彼氏いない」。25歳で別れてから28歳まで恋愛をしていない。歯科クリニックは女性スタッフが多く、患者は老若男女だが恋愛対象になる男との接点は少ない。毎日の仕事は患者の口を覗き込むことだ。バキュームを持ち、唾液を吸い、ドクターに器具を渡す。相手の顔は見ているが、自分の顔はマスクで隠れている。「見る側」であって「見られる側」ではない。3年間、女として見られることから離れていた女。
15歳差で最初に送ったメッセージの設計
28歳の女に50代の男がメッセージを送る。15歳差だ。これは大きい。芦屋のエステティシャンは8歳差だった。宝塚の専業主婦は5歳差。15歳差は僕の出会い系歴の中でもかなり離れている。
ただし、プロフに「年上の人が落ち着くので好きです」と書いてある。これは社交辞令ではなく本音だと判断した。歯科クリニックという職場は、ドクター(大抵は年上の男性)との距離が近い。ドクターの指示で動き、ドクターの手元を見て器具を渡す。年上の男に従うことに慣れている。それが恋愛対象の好みにも影響している可能性が高い。
送ったメッセージはこう書いた。「はじめまして。プロフ読みました。歯医者さんで働いてるんですね。マスク外すと別人って、逆にどっちが本当の顔なのか気になります。神戸在住の50代です。年齢離れてますが、プロフの雰囲気が落ち着いていて好感を持ちました。もしよければお話しませんか」。「マスク外すと別人」を否定も肯定もせず、「どっちが本当の顔なのか気になる」と興味に変換した。コンプレックスに対して「そんなことないよ」と言うのは逆効果だ。実物を見ていないのにフォローしても嘘くさい。だから「気になる」にした。会いたいという気持ちの根拠にもなる。
28歳歯科助手とのメッセージのやり取りからLINE移行まで
- 返信は翌日の夜22時に来た
- 歯科助手の「仕事トーク」が意外と面白かった
- LINE交換のタイミングと彼女が出した条件
返信は翌日の夜22時に来た
返信が来たのは翌日の22時過ぎだった。歯科クリニックの勤務は朝9時から夜7時。最終受付が6時半で、片付けと消毒を済ませて退勤するのが7時過ぎ。そこから帰宅して夕飯を食べ、風呂に入り、スマホを触る時間が22時。生活リズムが見える返信時間だ。
メッセージにはこう書いてあった。「返信ありがとうございます! マスクの下の顔が気になるって言われたの初めてです笑 どっちが本当の顔って聞かれたら、多分マスクしてる方が本当の私です。素顔は自信ないので……。50代なんですね。全然大丈夫です。むしろ同年代の男の人ってチャラいイメージがあって苦手で。よかったらお話しましょう!」。文面に3つの情報がある。「マスクしてる方が本当の私」は自分の素顔への不安。「全然大丈夫です」は年齢差への許容。「同年代の男の人ってチャラい」は28歳前後の男に対する不信感。
3年の恋愛ブランクの原因が見えてきた。この女は、自分の容姿に自信がなく、同年代の男の軽さが苦手で、仕事以外の人間関係を広げる意欲が低い。歯科クリニックという閉じた環境で、マスクの下に素顔を隠して3年間を過ごしてきた。出会い系に登録したのは、「このままではまずい」という焦りが28歳になって出てきたからだろう。
歯科助手の「仕事トーク」が意外と面白かった
やり取りは1日1往復から2往復のペースで続いた。この女は仕事の話が好きだった。「今日、5歳の子の治療で泣かれました」「親知らずの抜歯の補助がいちばん緊張します」「消毒作業が地味に腕がだるいです」。歯科クリニックの裏側を教えてくれる。
僕は歯医者に行くのが嫌いだ。あの機械の音と、口を開けっぱなしにさせられる時間が苦手でしかない。だから「歯医者怖い側の人間なんだけど、助手さんから見て患者ってどう見えてるの?」と聞いた。
返ってきた答えが面白かった。「口の中って、その人の生活がめちゃくちゃ出るんですよ。歯磨きの癖とか、食生活とか、ストレスの溜まり方とか。歯ぎしりする人はだいたい仕事のストレスがすごい人です。あと、治療中に目を閉じる人と天井を見る人がいるんですけど、目を閉じる人の方が怖がってます。天井を見る人は諦めてます笑」。人の口を毎日見ている女ならではの観察だ。エステティシャンが肩甲骨の硬さで人を読むように、歯科助手は口腔内で人を読む。職業が人の見方を決める。
「じゃあ僕の口を見たら何がわかるんだろうな」と返した。「会ってみないとわかりません笑」。この返しで、会う流れが自然にできた。仕事の話から「会ってみたい」に持っていく導線は、どの女にも使えるわけではない。だがこの女には刺さった。自分の仕事に興味を持ってくれる男が、身の回りにいなかったからだ。
LINE交換のタイミングと彼女が出した条件
PCMAX上でのやり取りは7日間続いた。8日目に「LINEの方が返しやすい?」と聞いた。「LINEのIDってPCMAXで教えても大丈夫ですか?」と返ってきた。出会い系慣れしていない。LINE交換のやり方すらわからない。
「大丈夫だよ。僕のID送るから検索してみて」と伝えた。5分後に友達申請が来た。LINEに移行した初日、彼女がひとつ条件を出してきた。「会う前に顔写真を交換したいです。私もマスク外した写真送るので」。これは誠実な申し出だ。マスク写真しかプロフに載せていないことを本人が気にしていたのだろう。僕は自分の写真を送った。居酒屋で撮った普通の写真だ。彼女からも送られてきた。マスクなしの、やや緊張した表情の自撮り。丸顔で、頬がふっくらしていて、唇が薄い。美人というタイプではないが、清潔感がある。「別人」と自分で言うほどの落差はなかった。
「全然別人じゃないじゃん。目元の印象そのままだよ」と送った。既読がついてから返信まで3分かかった。「……ほんとですか? 嬉しい。ずっとマスクしてるから、自分の顔がどう見えてるのかわかんなくなってたんです」。この3分が、この女の3年間を象徴していた。マスクの下の自分を肯定してくれる男が、3年間いなかった。
甲子園駅近くのイタリアンで初めて会った水曜の夜
- 水曜定休の歯科助手と待ち合わせた甲子園駅の改札
- マスクなしの素顔を初めて見た瞬間の印象
- イタリアンで見えた「歯科助手の癖」と15歳差の空気感
水曜定休の歯科助手と待ち合わせた甲子園駅の改札
クリニックの定休日は水曜だった。「水曜の夜なら空いてます」と彼女が言い、甲子園駅の改札で18時に待ち合わせることになった。彼女のホームグラウンドだ。
当日、僕は三宮から阪神電車に乗った。甲子園駅に着いたのは17時50分。改札を出て、駅前のロータリーで待った。試合のない平日の甲子園駅は静かだ。タイガースのユニフォームを着た人間は1人もいない。スーパーの袋を持った主婦と、塾帰りの中学生が通り過ぎていく。
18時3分。改札から出てきた女が、きょろきょろと周りを見渡していた。白いブラウスにベージュのスカート。髪はポニーテールにまとめていた。マスクをしていない。LINEで送ってきた写真よりも少し痩せて見えた。緊張しているのが遠くからでもわかった。僕が手を上げると、小走りで駆け寄ってきた。「すみません、ちょっと迷って……」。甲子園駅の改札は1つしかない。迷う要素はない。緊張で改札を出るタイミングを計っていたのだろう。
最初に見た印象は「小さい」だった。身長は155cmくらいだろうか。LINEの写真では顔しか見ていなかったから、全体の印象は初めてだ。華奢で、手首が細い。歯科助手は立ち仕事だが体力仕事ではないから、筋肉がつかないのだろう。清潔感だけは圧倒的にあった。爪は短く丸く整えてあり、ネイルはしていない。歯科助手は患者の口に手を入れる仕事だから、爪を伸ばせない。手が仕事道具だという点で、芦屋のエステティシャンと共通するものがあった。
マスクなしの素顔を初めて見た瞬間の印象
「写真と同じだね」と言ったら、彼女は両手で頬を押さえた。「やめてください、恥ずかしい」。28歳の女がこの反応をする。3年間マスクの下に隠してきた素顔を、男にまじまじと見られることへの耐性がない。
駅から徒歩5分ほどのイタリアンに向かって歩き始めた。彼女が予約してくれていた店だ。「ここ、患者さんに教えてもらったんです。パスタが美味しいって」。歯科クリニックの患者から飲食店の情報をもらう。狭いコミュニティの中で生きている女の情報源が見えた。
歩いている間、彼女は僕の半歩後ろを歩いていた。横に並ばない。これは「慣れていない」サインだ。恋愛経験が豊富な女は自然に横に並ぶ。距離感がわからない女は半歩後ろに下がる。職場でドクターの半歩後ろに立つ癖が、プライベートでも出ているのかもしれない。僕は歩く速度を落として、彼女が横に来るのを待った。「横においで」とは言わない。自然に隣に来るまで、速度で調整する。3分ほどで彼女は隣に並んだ。
イタリアンで見えた「歯科助手の癖」と15歳差の空気感
イタリアンは落ち着いた雰囲気の店だった。カウンター席とテーブル席があり、彼女はテーブル席を予約してくれていた。水曜の夜だからか、客は3組ほどしかいない。
メニューを開いて、彼女が真剣にパスタの種類を見ている横顔を観察した。歯科助手の癖なのか、メニューを持つ手の位置が妙に安定している。器具を持つように、親指と人差し指と中指の3点でメニューを支えている。無意識の所作に職業が出る女だ。
「何飲む?」と聞いたら「お酒あまり強くないんですけど、カシスオレンジとかでもいいですか?」と聞き返してきた。僕はビールを頼み、彼女はカシスオレンジを頼んだ。乾杯の時、グラスを合わせるのではなく、グラスを持ったまま軽く頭を下げた。宴会慣れしていない。職場の飲み会すらあまり行っていないのだろう。1杯目のカシスオレンジを半分飲んだあたりで、彼女の頬がうっすら赤くなった。アルコールに弱い体質だ。
食事をしながら話した内容は、ほとんどが仕事の話だった。「ドクターが2人いて、午前と午後で担当が変わるんです」「小児歯科が得意なドクターの方が好きです。子供の扱いがうまい人って、大人にも優しいので」「受付もやるから電話対応が多くて、声が枯れる日があります」。
15歳差の空気感は悪くなかった。年下の女が年上の男に仕事の話を聞いてもらう構図は、彼女にとって居心地がいいようだった。僕は聞き役に徹した。「それって大変だね」「その判断はすごいな」。合間にそう挟むだけで、彼女はどんどん話してくれた。3年間、こういう会話をする相手がいなかったのだろう。友達には話せても、男には話せない仕事の愚痴がある。彼女はそれを僕に放出していた。
会計の時、彼女が財布を出そうとしたので「ここは僕が持つよ」と言った。「……ありがとうございます。次は私に出させてください」。「次」という言葉が自然に出た。2回目のデートの約束が、会計の瞬間に成立した。
甲子園浜の海沿い散歩で28歳歯科助手との距離が縮まった日曜日
- 日曜の昼に甲子園浜を選んだ理由
- 海風の中で聞いた「3年間の恋愛ブランク」の本当の理由
- 手が触れた瞬間と彼女から指を絡めてきた意味
日曜の昼に甲子園浜を選んだ理由
イタリアンの翌週、日曜日の昼に会う約束をした。彼女は日曜が休みだ。平日定休の水曜は仕事のストレスを発散する日で、日曜は完全に自由な日。「自由な日」の方が心の余裕がある。
場所は甲子園浜を提案した。甲子園浜は甲子園駅から徒歩15分ほどの海沿いのエリアだ。人工浜だが、海が見える遊歩道が整備されていて、散歩やジョギングをしている人がいる。ベンチも点在している。なぜ甲子園浜にしたか。理由は3つある。まず、彼女のホームグラウンドであること。初回のイタリアンも甲子園だった。知っている場所の方が安心する。もう1つは、カフェやレストランよりも「歩きながら話す」方が、この女には合うと判断したこと。前回のイタリアンで、彼女は対面で目を合わせるのが苦手だった。話す時に視線を外す癖がある。歩きながらなら、正面を向かなくていい。
3つ目の理由は、体の距離だ。レストランではテーブルを挟んで座る。物理的な距離は約80cm。歩きながらであれば、肩が触れる距離で並べる。物理的な距離が近づけば、心理的な距離も縮まる。3年間男と付き合っていない女に、いきなり密室は重い。開放的な場所で、少しずつ距離を詰める。海沿いの散歩はそのための装置だった。
海風の中で聞いた「3年間の恋愛ブランク」の本当の理由
13時に甲子園駅で合流し、甲子園浜に向かって歩いた。彼女は前回よりもリラックスしていた。半歩後ろではなく、最初から横に並んでいる。白のTシャツにデニム。化粧は薄い。日焼け止めとリップくらいだろう。仕事中マスクをしているから、ベースメイクに時間をかける習慣がないのだと思う。
甲子園浜に着くと、海からの風が吹いていた。彼女が髪を押さえながら「海、久しぶりです。近いのに全然来ないんですよね」と言った。実家から15分の場所に海があるのに行かない。行動範囲の狭さがこの女の3年間を物語っている。
遊歩道を歩きながら、前回のイタリアンでは聞けなかった話をした。「3年彼氏いないって言ってたけど、前の人とはどうして別れたの?」。直球で聞いた。この手の質問は、タイミングを逃すと永遠に聞けなくなる。彼女はしばらく黙ってから話し始めた。「25歳の時に別れたんですけど……原因は私なんです。仕事が忙しくなって、会う時間が減って、彼の方が冷めていった。別れた後に『お前は患者の口しか見てない』って言われて。それがすごくショックで……」。
「患者の口しか見てない」。元彼のその一言が、3年間の恋愛ブランクの原因だった。自分は仕事に没頭するあまり、目の前の男を見ていなかった。その自覚が、次の恋愛に進む足を止めていた。マスクの下に素顔を隠すことと、仕事の殻に閉じこもることは、同じ構造だ。見られることから逃げている。
「でもさ、仕事を頑張ること自体は悪いことじゃないだろ」と僕は言った。「……わかってるんですけど。でも、仕事しかない女って、つまんないじゃないですか」。この自己評価の低さが、この女の核心だった。
手が触れた瞬間と彼女から指を絡めてきた意味
甲子園浜の遊歩道を30分ほど歩いた。会話は途切れたり繋がったりしながら、自然に流れていた。海を見ながら歩いていると、話すことがなくても沈黙が苦にならない。風の音と波の音が沈黙を埋めてくれる。
ベンチに座って缶コーヒーを飲んだ。彼女はカフェオレ。僕はブラック。横に並んで海を見ている時、彼女の手が僕の手に触れた。最初は偶然だと思った。ベンチの上に置いた手の小指同士がかすかに重なっている。
僕は手を動かさなかった。動かしたら、彼女が引っ込めてしまう気がした。10秒ほどそのまま。彼女の小指が、僕の小指に絡まった。そしてゆっくりと、指全体が僕の手に重なっていった。指を絡めてきた。3年ぶりに男の手を握る女の指は、少しだけ震えていた。手先は器用なはずだ。毎日、患者の口腔内で細かい作業をしている手だ。その手が、男の手を握るという単純な動作で震えている。器用さと不慣れさのギャップが、この女の全てだった。
僕は彼女の手を握り返した。小さくて冷たい手だった。「手、冷たいな」と言ったら、「血圧が低いんです。末端冷え性で」と返ってきた。自分の体の状態を医療的な言葉で説明する。職業病だ。「じゃあ温めとくか」と言って、そのまま手を握り続けた。
しばらく黙って海を見ていた。彼女が小さな声で言った。「……今日、帰りたくないです」。
僕はその言葉を待っていた。待っていたが、自分から誘うつもりはなかった。3年ぶりの女に、男から「行こう」と言うのは違う。彼女自身が、自分の言葉で踏み出す必要があった。そしてこの女は、自分の言葉で踏み出した。
28歳歯科助手と過ごした阪神沿線の夜
- 阪神沿線のホテルに向かう電車の中の距離感
- 3年ぶりの緊張と歯科助手の手先の器用さ
- 「見ないで……でも止めないで」という矛盾
- 「上からしてみたい」と言った28歳の挑戦
阪神沿線のホテルに向かう電車の中の距離感
甲子園浜から甲子園駅に戻り、阪神電車に乗った。阪神沿線にはラブホテルが点在するエリアがある。彼女は実家暮らしだから自宅には連れていけない。僕の家は神戸だから遠い。消去法でホテルになる。
電車の中で彼女は僕の腕に自分の肩をくっつけていた。手は繋いだまま。車内にはまばらに客がいたが、日曜の夕方の阪神電車は空いていた。彼女は窓の外を見ていた。何を考えているのかはわからない。ただ、手を離す気配はなかった。「帰りたくない」と自分で言った言葉に、自分で責任を取ろうとしている。3年間逃げ続けていた場所に、自分の足で向かっている。その覚悟が、握った手から伝わってきた。
ホテルに入る直前、彼女の歩く速度が落ちた。「大丈夫?」と聞いた。「……大丈夫です。ただ、3年ぶりなので。ちょっとだけ心の準備させて」。5秒ほど立ち止まって深呼吸をした。それから「行きましょう」と言った。この5秒間の深呼吸が、彼女なりの覚悟の儀式だった。
3年ぶりの緊張と歯科助手の手先の器用さ
部屋に入って、ドアが閉まった。彼女は入口に立ったまま動かなかった。靴を脱ぐタイミングがわからないというように、つま先をもじもじと動かしている。
僕が先に靴を脱いで中に入り、「座ろうか」と声をかけた。ベッドの端に2人で腰を下ろした。横に並んで座る。前を向いたまま、どちらも動かない時間が30秒ほどあった。
僕が彼女の顎に手を添えて、顔をこちらに向けた。目が合った。緊張で瞳が揺れていた。唇を近づけると、彼女が目を閉じた。軽く唇を合わせた。彼女の唇は乾いていた。緊張で口の中の水分がなくなっている。歯科助手は患者にいつも「緊張しなくて大丈夫ですよ」と言っているはずだ。その本人が、こんなに緊張している。唇を離すと、彼女が「……キスの仕方、忘れてるかもしれない」と言った。忘れるものではない。でもその一言は、3年間のブランクの重さを正直に表していた。
「忘れてるなら思い出せばいいだけだろ」と僕は言った。もう一度唇を合わせた。今度は彼女の方から舌が伸びてきた。遠慮がちな、探るような舌だった。口の中が甘かった。さっき飲んだカフェオレの味がした。
キスをしながら、彼女の手が動いた。僕の胸元に置かれていた手が、シャツの下に滑り込んできた。そして腹筋を指先でなぞった。3年ぶりの女の手とは思えない動きだった。指先の圧が均一で、滑らかだ。毎日手袋越しに患者の口腔内を触っている手だ。指先で感覚を取る訓練が体に染み付いている。
彼女の手がベルトに触れた。金具の部分を指先で確認するように触り、迷いなくバックルを外した。歯科助手は毎日、手術用のグローブをつけてバキュームやミラーを操作している。細かい器具を扱う手先の感覚が、ベルトの金具にそのまま適用されていた。ボタンを一つ外す。もう一つ外す。焦らない。一つずつ丁寧に。手術室で器具をトレイに並べるような正確さだった。
下着の上から、先端を指先でなぞるように触れてきた。爪を立てない、指の腹だけで触る。圧が一定で、リズムが安定している。歯科助手が歯石を取る時の、あの繊細な手の動きだ。彼女が小さく笑った。「歯石取りみたいでごめん」。
僕は笑った。「全然違うけど、うまいよ」。彼女の顔が赤くなった。自分がやっていることが「うまい」と言われたことに、照れている。3年ぶりの行為で、しかも初めての相手に「うまい」と言われる。器用な自分の手に、初めて性的な評価が返ってきた瞬間だった。彼女は下着を下ろし、直接触れてきた。そのまま体をかがめて口に含んだ。舌の裏側を使って、先端をゆっくりとなぞった。舌の使い方が独特だった。舌の表面ではなく裏側。歯科助手は口腔内の構造を知り尽くしている。舌の裏側の方が粘膜が薄く、感覚が鋭いことを、職業的に知っていたのかもしれない。
「見ないで……でも止めないで」という矛盾
僕は彼女を仰向けにした。ブラウスのボタンを外しながら、脇腹にキスをした。彼女の体がびくりと跳ねた。「くすぐったい」と小さな声が漏れた。ブラウスを開くと、白いレースのブラが見えた。華奢な鎖骨の下に、小ぶりな胸がブラの中に収まっていた。背中に手を回してホックを外すと、彼女が両腕で胸を隠そうとした。「小さいから……」。僕は腕を退かして言った。「形がいい」。嘘ではない。Bカップくらいだろうか。小さいが、28歳の重力に逆らった形をしていた。先端は薄いピンク色だった。日焼けしない室内仕事を何年も続けてきた肌だ。色素が薄い。指先で乳首に触れると、すぐに硬く立ち上がった。3年間誰にも触れられていなかった体は、信じられないほど敏感だった。
臍の下にキスを落とした。彼女の腹筋が硬くなった。緊張で体が強張っている。下着を下ろすと、彼女がまた腕で顔を隠した。下腹部には薄い茶色の毛が控えめに生えていた。手入れをしている様子はない。3年間、人に見せることを想定していなかった体だ。だがその「何もしていない」状態が、かえって生々しかった。作り込んでいない体。見せるための体ではなく、生活の中にある体。太腿の内側に手を置くと、反射的に脚を閉じた。「大丈夫だから」と声をかけて、太腿の付け根を唇でなぞった。彼女が息を吸い込む音がした。ゆっくりと脚の力が抜けていった。
指で開いて、舌先で小さな円を描いた。彼女の腰が浮いた。クリトリスを唇で包んで、軽く吸った。「……っ」。声にならない声が出た。3年間触れられていなかった場所に、唇と舌が触れている。彼女の手がシーツを握り締めた。指を1本入れた。中で指を折り曲げると、彼女の体が大きく震えた。「……あ、そこ、」。言葉が途切れた。
舌の動きと指の動きを合わせた。外を舌で、中を指で。彼女は腕で自分の顔を隠した。「見ないで……」。僕は手を止めなかった。すると続きが来た。「……でも止めないで」。見られたくない。でも気持ちいいから止めてほしくない。3年間「見られる側」になることから逃げていた女が、「見ないで」と言いながら「止めないで」と言っている。マスクで素顔を隠す行為と同じだ。見られることへの恐怖と、見てほしいという欲求が同時に存在している。この矛盾が、この女の性の核心だった。
彼女の体が大きく弓なりに反って、長い息を吐いた。腕を顔から離した。目が潤んでいた。「……3年ぶりに……こんな、」。最後まで言えなかった。
「上からしてみたい」と言った28歳の挑戦
コンドームを着けて、正常位で入れた。少しずつ。「痛くない?」と聞いた。彼女は目を閉じたまま「大丈夫……動いて」と言った。3年ぶりの体は予想より受け入れてくれた。ゆっくり動き始めると、彼女の手が僕の背中に回された。爪が食い込むように背中を掴んでいた。
しばらく正常位で動いた後、彼女が言った。「……上からしてみたい」。正直、驚いた。3年ぶりの女が、自分から騎乗位を求めてくるとは思わなかった。「いいよ」と言って体勢を入れ替えた。
彼女が上に跨った。が、そこから動けなかった。腰の動かし方がわからないのだ。経験の少なさが出ていた。「ゆっくりでいいよ」と僕は言った。彼女はゆっくりと腰を前後に動かし始めた。不慣れな動きだった。リズムが定まらない。ベルトを外す時のあの器用さは、上半身の仕事だ。腰は使い慣れていない。だがその不慣れさが、逆に生々しかった。
僕が彼女の胸に手を伸ばした。上から見ると、小ぶりな胸の形がはっきりわかった。肋骨の上に薄く乗っている柔らかさ。ピンク色の乳首が立ち上がったまま、僕の手のひらに触れた。親指で先端を転がすと、彼女の腰の動きが止まった。「……そこ、弱い」。歯科助手の口から出たその声は、患者に話す時の声とは全く別物だった。背中を反らせた。その姿勢で自分から腰を深く落とした。「……っ、あ、」。声を殺し切れなかった。自分でリズムを見つけたらしく、少しずつ動きが安定していった。
不慣れなのに挑戦する。この積極性が、この女の本質だった。仕事では受付も助手もこなし、任されたことは何でもやる。3年間恋愛から逃げていたくせに、いざ踏み出したら自分から「上からしたい」と言う。臆病さと挑戦心が同居している。マスクの下に素顔を隠していた女が、今は何も隠していない。見られる側になることを、自分で選んだ。
最後は正常位に戻した。彼女が僕の首に腕を回し、耳元で「……来て」と言った。静かな声だった。その一言が、3年間の沈黙を破る声だった。
甲子園の28歳歯科助手と出会って感じたPCMAXの使い方
- 恋愛ブランクがある女へのアプローチで意識したこと
- 甲子園エリアでPCMAXを使う時のポイント
- 「マスクの下の素顔」を引き出すメッセージの設計
恋愛ブランクがある女へのアプローチで意識したこと
今回の甲子園の歯科助手は、恋愛ブランクが3年あった。出会い系ではそういう女にたまに出会う。ブランクがある女は、アプローチの仕方を変える必要がある。
まず、ペースを急がないことだ。僕は彼女とPCMAXで8日間やり取りし、LINEに移行してからさらに1週間、そこから初デートをして、日を空けて2回目のデートに進んだ。恋愛慣れしている女なら、もっと早く進められる。だがブランクのある女は、段階を一つ飛ばすと一気に引かれる。彼女が自分の足で進めるペースを守ることが、結果として最短ルートになる。
もう1つ大事なのは、彼女の「仕事」を入口にすることだ。恋愛ブランクのある女は、恋愛の話題に慣れていない。恋バナを振られると固まる。だが仕事の話なら流暢に話せる。仕事の話を聞くことで、「この人は私に興味を持ってくれている」という実感を与えられる。仕事への興味から人間への興味に移行する。順番が大事だ。
甲子園エリアでPCMAXを使う時のポイント
甲子園エリアは、出会い系の穴場だ。西宮市の中では夙川や苦楽園がおしゃれなイメージだが、甲子園は「普通の住宅地」として見過ごされている。だからこそ、ライバルが少ない。
PCMAXで甲子園エリアを検索する時は、「甲子園」だけでなく「甲子園口」「鳴尾」あたりのキーワードも含めると、阪神甲子園駅周辺に住んでいる女がヒットしやすい。実家暮らしの女が多いのも特徴だ。実家暮らしの女は生活コストが低い分、デートの場所や食事の金額に対するハードルも低い。高級レストランでなくても、駅近くのカジュアルなイタリアンやカフェで十分だ。
甲子園は阪神電車の沿線にあるため、三宮からのアクセスが良い。三宮から直通特急で約20分。同じ阪神沿線の尼崎や西宮と合わせて攻めると、効率が上がる。甲子園浜という散歩に使えるスポットがあるのもポイントだ。海沿いの散歩は距離を詰めるのに最適で、カフェやレストランよりも体の距離が近くなりやすい。
「マスクの下の素顔」を引き出すメッセージの設計
今回学んだのは、「コンプレックスを否定しない」というメッセージ設計だ。彼女は「マスク外すと別人です」とプロフに書いていた。これに対して「そんなことないですよ」と返すのが普通だろう。だがそれは嘘だ。実物を見ていないのに否定しても説得力がない。
僕がやったのは、コンプレックスを「興味」に変換することだ。「別人なのか気になる」と書くことで、「見たい」「会いたい」という意思表示になる。コンプレックスを持っている女は、否定されるより「それでも見たい」と言われる方が心が動く。マスクの下を見たいと思ってくれる男がいる。それだけで、出会い系に登録した意味が生まれる。
PCMAXには、こういう「自分に自信がない女」が一定数いる。美人ではないと自覚している女、恋愛経験が少ない女、ブランクがある女。こういう女は、チャラいメッセージでは動かない。だが「あなたに興味がある」という丁寧な意思表示には反応する。派手さはないが、確実に会える層だ。50代の僕が28歳の女に会えたのは、年齢ではなく「見方」を変えたからだ。
まとめ:甲子園でPCMAXを使って28歳歯科助手と出会えた体験談の振り返り
甲子園という街は、野球のイメージが強すぎて出会い系の対象として見落とされがちだ。だが住んでいるのは普通の生活者であり、その中に「出会いがない」と感じている女が確実にいる。今回の28歳の歯科助手は、毎日マスクをして患者の口の中を覗き込みながら、3年間恋愛から遠ざかっていた。PCMAXに登録したのは、28歳になって「このままでは本当にまずい」と思ったからだろう。
この体験で実感したのは、「恋愛ブランクのある女は、正しい順序を踏めば確実に会える」ということだ。急がない。仕事の話から入る。コンプレックスを否定せず興味に変換する。彼女自身が踏み出すペースを尊重する。派手な口説き文句は要らない。必要なのは「見ていること」を伝えることだ。マスクの下の素顔を、見たいと思ってくれる人がいる。その事実が、3年間止まっていた女の時間を動かした。
PCMAXは登録無料で始められるし、甲子園エリアのような「穴場」を探すのにも適している。出会い系は三宮や梅田だけのものではない。自分の行動範囲の少し外側を検索してみると、今まで見えなかった女が見つかる。甲子園の28歳歯科助手は、僕にそれを教えてくれた出会いだった。
- 甲子園エリアは出会い系の穴場で、ライバルが少ない住宅地にこそ出会いがある
- 歯科助手のような「マスク越しの仕事」をしている女は素顔を見せることに不慣れ
- 恋愛ブランク3年の女には段階を飛ばさず、彼女のペースで進めることが最短ルート
- プロフのコンプレックスは否定せず「興味」に変換するメッセージが刺さる
- 仕事の話から入ることで恋愛慣れしていない女の緊張を解ける
- 15歳差でも「年上好き」のプロフは社交辞令でないことが多い
- 海沿いの散歩は対面が苦手な女との距離を詰めるのに有効
- 甲子園浜は散歩デートに使えるスポットとして阪神沿線では狙い目
- PCMAXの無料登録から始めて甲子園周辺を検索するだけで新しい出会いが見つかる
